シュレディンガーの黒歴史

この記事はだいぶ前に書かれたものなので情報が古いかもしれません
犬よりは猫派です

この記事を三行にまとめると

量子力学や男塾ではよくある話です
どんな汚点も、驚きの白さになっているかもしれない
「まだあっちの方は消耗してないの?」
シュレディンガーの猫という概念があります。箱の中に猫が一匹いて、その猫は生きている状態と死んでいる状態の両方を重ね持っている。実際にどちらの状態になるかは箱を開けて中を見るまで分からない、みたいなお話。王大人が死亡確認した時点でも、実際は生きている状態のこともあるという、そんなお話。量子力学や男塾ではよくある話です。

この話を拡張して行くと、つまり未来が分からないのも、この目で確かめるまでは状態が確定されないからってなところに行き着きます。

量子力学だの不確定性原理だのって話をすると、たいていこの、未来は予測不可能って話も出てくるんですが、でも観測できない限り状態が決まらないってんなら、過去の場合も同じことが言えるんでない?

や、確かに過去は観測済みではありますよ。今この記事を読んでいる皆さんの過去をさかのぼれば、十数秒ほど前はおそらく、このページをブラウザで開こうとしている状態で間違いないないでしょう。でもそれを観測する方法って、実はないのよね。

世界五分前仮説ってのがあります。不確定性原理などと同じくらい、このブログではたびたび登場する単語ですが、簡単に言えば、世界が今から五分前にできたばかりだっていう仮説。僕たちは確かに五分より前の記憶があるから、この仮説がトンデモ理論なのは疑いようがないですが、でも、五分より前の記憶が、五分前に突然与えられたものかどうかを証明する方法はないのです。シュレディンガーの何ちゃら的な理屈を用いれば、この世界は今、五分前にできた状態と、もっと前からあった状態の重ね合わせと言えるかもしれない。実際に五分前の状態を観測しない限りは。

過去が不確定ってことは、もしかしたらそれは、なかったことになるかもしれない。とんでもない黒歴史をうっかり生み出してしまったとしても、もはやそれは観測不可能な過去。黒歴史が存在している状態と存在していない状態の重ね合わせになる。たとえ中学校の卒業文集に中二病全開のとんでもなく恥ずかしい文章を残していたとしても、誰かがそれを観測しない限りは、そんな文章は書かれていなかった状態も持っているのだ。

あかつきのお宿も、三十前後のおっさんが書くようなもんじゃないっていう内容もいっぱいある。でもやはりそれは、過去の汚物……じゃなくって、遺物なのです。観測されない限り、恥ずかしい状態と恥ずかしくない状態の重ね合わせになる。だからもしかしたら、恥ずかしくない状態に収束するかもしれない。どんな汚点も、驚きの白さになっているかもしれない。

まあ、恥ずかしいなんて感情があったら、どこの誰に見られるかも分からないところにイカれた文章を書くこと自体、そもそもやらないはずなんですけどね。きっと僕は、恥ずかしいという気持ちを、遠い過去に置き忘れて来てしまったんでしょう。観測できないどこかに。

何にせよ、僕の人生設計では、十年後くらいには巨万の富を得て、札束でジェンガをやったり、札束でドミノをやったり、札束を扇子代わりに使ったり、札束で人の頬を叩いたり、札束でお尻を拭いたり、札束風呂に五人の美女と一緒に入ったりしている予定です。毎晩美女を取っ替え引っ替えし、瞬く間に千人斬りを達成。その後も絶倫さは変わらず「まだあっちの方は消耗してないの?」と周りからは恐れられ、気がつけば「秒速で射精する男」と呼ばれている。そんな億万長者の超絶モテ男に、恥ずかしい過去は似合わぬのです。

……この発言も、誰かが観測するまでは、黒歴史になる状態とならない状態の重ね合わせだから、ならない状態に収束する可能性も、あるわけですね。そうなるよう、祈っとこ。
 もしかしたら何か関連しているかも? 
 質問や感想などお気軽にコメントしてください