こんな家、いつか出てやると、子どもの頃から思っていた。
あれから数十年――未だにこの私は、この家から出たことがない。
一歩も出ずとも、全ての用事が済んでしまうのだ。
結婚相手すら、お付きの者たちが連れて来てくれたし。