人は、必要がなくなると自分の中からその機能を削除してしまう。
それは、比較的頭の良い彼の場合も例外ではなかった。
今の彼は、記憶力と観察力の一部を無意識に切り捨ててしまっている。
都心に住んでいると、時刻表をいちいち確認する必要がないからだ。