一人焼肉を経て得たものと失ったもの

この記事はだいぶ前に書かれたものなので情報が古いかもしれません
また近い内に食べに行こう……一人で

この記事を三行にまとめると

一人じゃないと焼肉食べれない体になっちゃったんじゃね?
人間火力発電所にはなれませんでした
自らがお奉行になるしかないですね、これはもう
二年くらい前まで、一人で外食するのを恐れていた自分。マックもテイクアウトオンリーだったし、吉野家みたく二十四時間やってるところも、深夜の三時とか四時とか、他に人がいなさそうな時間帯なら入れるという、そんな感じでした。

しかしそれも、今はもう昔の話。気がついたら焼肉屋に入れるくらい、一人で外食することにも慣れました。食べ放題の店にも、もはや一人で入れる。今も、そんな頻繁に行くわけではないですが、一〜二ヶ月に一回のくらいの頻度で、一人でふら〜っとお肉を食べに行くことがあります。

そんな中、つい先日、久しぶりに友人とご飯を食べに行くことになりまして、これまた久しぶりに、自分以外の人と一緒に焼肉を食べに行ったんですわ。

その時に思ったんですよ。「あれ? 逆に一人じゃないと焼肉食べれない体になっちゃったんじゃね?」って。

ほら、焼肉って、人によってルールが違ったりするじゃないですか。焼けたもんから好きに取ってきゃ良いって人もいれば「この肉はワシが育てた」ってタイプもいるっしょ? そのお肉を何の気なしに取ろうとすると「ちょ、待てよ」ってなる人。あと直箸を気にしないって人もいれば、絶対にダメって人もいる。衛生面を考慮すると正しい主張なんですけど、みんなの食べる分を直箸で焼くならともかく、自分の食べる分を自分で焼くってことであれば、直箸でも良いんじゃないかなぁという気もします。

今回も食べ放題だったんで、みんな自分の食べたい肉を好きに注文して、各自好きに肉を育てて食べるみたいな流れでした。だから直箸で行っても良いかなぁと思ったんですけど、「ちゃんとトング使ってくれ」と警告が入ってしまったんで、さすがに行けませんでした。トングを使い辛いポジションに座ってしまったのが運の尽きでしたね。

こうなると苦戦すんのよ。誰かが追加で注文するとき「俺もそれ食いたいから二つね」って便乗して頼むまでは良いんですけど、二つ頼んだからと言って、一皿×2で来るわけじゃなくて、二皿分の肉が一つの皿で来るのよ。となると、来たお肉は全部トング使いのところに行くから、俺っち俄然不利。自分の分は自分で焼くという流れができている以上、僕が注文した分もトング使いの胃袋に吸い込まれていく。

食べ放題だとペースを気にせずガンガン頼むから、その内にみんなお腹がいっぱいになってきて「あ〜もう肉いいや。シメにご飯もの行くわ〜」とか言い出した頃に「じゃあ俺もう少し肉食いたいから頼むね〜」みたいな流れもいけるかと思ってたんですが、みんなラストオーダーギリギリまで肉のペースが落ちねえのね。ビビンバ食べながらもしっかり肉は焼き続けるという強者揃い。想像以上に彼らの胃袋は若かった。

まあそんなわけで、何とか隙を突いて三切れくらいは食べることに成功したんですが、あとはひたすらドリンクバーのメロンソーダとキャベツのサラダで乗り切りました。あ、エビ焼きは一つもらえたな。俺も焼くからトングを貸してくれって言えなかったのが敗因でしたね。せめて一皿×2で来てくれたら、これ焼きたいから貸してくれって言い易かったのですが……無念なり。人間火力発電所にはなれませんでした。

昔は、焼肉はみんなでワイワイ食べるものっていう意識が強かったのに、いつの間にか、一人で気楽に食べるものという風に、自分の中で変わっちゃったんですかね。一人で焼肉屋に入れるようになったは良いけど、むしろ一人でしか入れなくなったという方が、正しいのかもしれません。

この先、また誰かと焼肉を食べに行く機会があるやもしれませんが、その時はトング使いポジションについて「ほらどんどん食え愚民どもがぁっ。これやろ?これが欲しいんやろ?」と、自らがお奉行になるしかないですね、これはもう。
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