とりまXSERVERに落ち着いたってお話

この記事はだいぶ前に書かれたものなので情報が古いかもしれません
レンタルサーバー

この記事を三行にまとめると

スーパーサイヤ人3くらい強いです
これを選んどけば間違いない!と簡単に言うことはできません
ほら俺、無料キャンペーンとか期間限定とかに弱いからさ
あかつきのお宿は何年もの間、ずっとさくらインターネットのレンタルサーバーで動いていました。

でも一年くらい前にZenlogicというレンタルサーバーにお引越しして、つい最近までそこで運用してました。

そして今回、ZenlogcからさらにXSERVERというレンタルサーバーにお引越ししました。



何で引っ越したのかって話なのですが、少し前から常時SSLって言葉が何かとネット上でつぶやかれるようになりまして、それに伴い、無料で使えるSSL証明書もちらほらと出てきました。それを受けて僕も自分のサイトを常時SSL化しようと思い立ちまして……ほら、一応僕もエンジニアの端くれですから。「ウェブサービス作る仕事してるくせに自サイトの常時SSL化すらまともにできねーのか」「エンジニア力たったの5か……ゴミめ」「毎秒SSL化しろ」と言われないためにも、ちゃんとやれるぞってとこをあざとくアピールしようかと思いまして。

常時SSL化推奨の波とともにレンタルサーバーでも無料SSLを提供するところが増えましたし、それならせっかくだし無料で使えるところを利用させてもらおうじゃないかと。さくらインターネットもちょっと前にLet’s Encryptの無料SSLが使えるようになったみたいですが、僕が引っ越した時点ではまだありませんでした。

あともう一つ、さくらインターネットはhttpからhttpsへのリダイレクトがいまいち上手くできなかったんですよ。以前それについての記事を書いたので、詳細についてはここでは省略します。

さくらインターネットのレンタルサーバー(スタンダードプラン)でSSLを使ってみたけど……

これも今は対応可能なのかもしれませんし、それができないというだけでさくらは絶対に使うべきではないとは言いませんが、まあとにかく、その他もろもろの事情を考慮しまして、Zenlogicへの引っ越しを検討したわけなのです。



どうしてZenlogicを選んだのかと言うと、値段が安かったの一点につきます。

Zenlogicの一番安いプランSというやつは月額890円で利用できます。無料のSSLもついてるし、httpsへのリダイレクトも問題ない。さくらのスタンダードプランは月額500円なのでそれよりはいくらか高いですけど、個人で利用するにあたって手を出しにくい料金ってわけでもないと思います。

ただし、プランSはそこまでサーバーのスペックが高いわけではありません。具体的にいうとCPUのメモリは1GBです。「1GBって少ないの?」ってきかれると、それは運用するサイト次第としか言いようがないですが、例えばこれは、実際にZenlogicであかつきのお宿を動かした時のメモリの仕様状況をpsコマンドを使ってチェックしたものです。

Zenlogicのプロセス

注目してほしいのは左から四番めの列。「6.3」とか「7.5」とかっていう数字がありますよね。これがメモリの使用率です。単位はパーセント。簡単に言えば、あかつきのお宿に誰かしらがアクセスして来た時、一つのリクエストを処理するためにメモリを6〜7%使用していることになります。

もし平均で7%使用するとなると、同時に15人がアクセスしてきたらメモリの使用率が105%になります。限界を超えてますね。ってことは、もしあかつきのお宿が定期的に15人以上同時アクセスのあるサイトだった場合、503エラーが頻発してしまう可能性があるわけです。

同時接続数が15人ってのは決して少ない数ではありません。すごいざっくりですが、常に15人がサイトにアクセスしてくるような場合、1時間のアクセスは1万を超える可能性もある。月間のPVで考えたら100万超えのモンスターサイト。僕からすれば雲の上のポニョとも言うべき数値です。

でもアクセスってのはずーっと一定なわけではないですから、月のPVが数万程度でも、瞬間的に15人を超えることはあります。あかつきの宿もそうでした。

まあサーバーのメモリについては以前こんな記事を書いたことがあるので、よかったらこちらもご確認くだせえ。

サーバーのメモリと向き合ってみる 〜MaxClientsの設定〜

それからこれもメモリの問題だと思うんですが、プランSだとSQLファイルのエクスポートが上手くいきません。

ZenlogicはphpMyAdminを提供しているのでそれを使って直接データベースにアクセスできるんですが、phpMyAdminでデータをエクスポートしようとすると500エラーが出る。データ量の問題ではないっぽいです。データが一件しかないテーブルのデータもエクスポートできなかったので。

一応、Zenlogicの管理画面でSQLのバックアップは取れるのですが、テーブルを選んでバックアップを取ったりできないので、取らなくていいものまでひとまとめになってしまう(information_schemaテーブルとか)。その辺はちょっと都合が悪かったです。



そんなわけでしばらくはZenlogicでも問題ないかなーなんて思ってたんですが、たびたび503エラーが出たりphpMyAdminもデータの参照にしか使えないってことに気づいて、こりゃサーバーの見直しが必要かもしれないと思ったわけです。

ZenlogicにはプランS以外にも7つほど上位のプランが用意されています。当然上のプランにいけばサーバーのスペックも高くなる。でもプランSが890円なのに対し、その一つ上のプランになると急に月額料金が3000円くらいにはね上がります。XSERVERの一番安いプラン(X10プラン)は月額1000円ほど。ZenlogicのプランSとそれほど変わりません。もちろん無料のSSLも使える。

だったらZenlogicでプランを上げずに、とりあえずXSERVERへ引っ越してみたらどうだろうと、そう思ったわけです。

XSERVERに引っ越してから、とりあえずメモリの心配はなくなりました。phpMyAdminも問題なく使えてます。

psコマンドを実行してapacheのメモリ使用状況を見るとこの通り。

XSERVERのプロセス

軒並みゼロパーっすね。topコマンドなどで監視とかもしてみたんですけど、多少負荷が増えても0.5%を超えることはありませんでした。

それもそのはず。XSERVERのサーバーはメモリが192GBありますからね。Zenlogicの200倍です。スーパーサイヤ人3くらい強いです。

この数字だけ見るとZenlogicの方は「メモリ力たったの1か……ゴミめ」って思うかもしれませんが、XSERVERとZenlogicではサーバーの使い方が異なります。

普通、レンタルサーバーってのは複数のユーザーでサーバーを共有します。XSERVERもそうだし、さくらインターネットとかでもそうです。上位のプランでは占有できる場合もあるけど、基本的には自分以外の見知らぬ誰かさんも同じサーバーを使っている。つまり192GBというメモリもみんなで共有することになります。なのでこちらがどれだけメモリの節約に勤しんだとしても、同じサーバーの中にハンターハンターのカストロみたいな人がいたら割りを食ってしまう可能性があります。

対してZenlogicは一人に一台ずつマシンが割り当てられます。1GBを自分一人で使うことになる。専用サーバーみたいなもんです。他の人がどんなに負荷の高いサービスを運用しようがこちらに影響はない。カストロの念能力のレベルが上がってダブルがトリプルになろうが全く関係ない。

それからZenlogicには転送量の上限がありません。簡単に言えば、一日のアクセスがどれだけあろうがサーバーが耐えられる限りはいくらでもどんと来いって感じです。対してXSERVERのX10プランは一日の転送量が70GBまでと決められています。目安なのでこれを超えたからと言ってすぐにアクセスが止められてしまうわけではないっぽいですが、常にこれを上回るような転送量がある場合は何かしら警告されるなり制限をくらうかもしれません。

まあ、70GBなんてそうそう超えることはないと思いますけどね。やたら重たい画像を表示しまくったりとかしない限りは、よっぽどお化けなサイトでもない限り問題ない数値だと思います。ちなみにあかつきのお宿は、現状だと多くても一日の転送量は1GB程度です。まず超えねえ。10倍界王拳でも何ら問題ないレベルですね。

だから必ずしもZenlogicの方がしょぼいとは言えないのですが、いろんな人の情報を参考にする限りだと、XSERVERなら数百人くらいの同時アクセスでも耐えられるっぽいです。Googleアナリティクスのリアルタイムアクセスが1000を超えても問題なくサイトが動いてたって言ってる人もいるので、うちはそこまでアクセスがあるサイトじゃないから自分で直接確かめてはいませんが、少なくとも15人程度の同時接続なら全く問題なさそうです。



レンタルサーバーは料金も機能もさまざまです。だからこれを選んどけば間違いない!と簡単に言うことはできません。とにかく安いのが良いのか、表示速度が0.1秒でも早いサーバーが良いのか、管理画面の操作や設定が分かりやすいところが良いのか、Wordpressにさえ特化してれば良いのか、自分が何を重視したいかによっても変わってくる。

僕は今回、アクセスが多少増えても大丈夫そうだってのと、たまたまドメインが永続的に無料で使えるキャンペーンをやってたこともあり、XSERVERを選びました。いやー、ほら俺、無料キャンペーンとか期間限定とかに弱いからさ。ついつられちゃったよ。

でもまあ、たぶん引っ越してからは一度も503エラーが出てないし、今度こそしばらくは問題ないかなーと思ってます。
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