単語の発音は、どうやって生まれて来たのか。
例えば「雲」は「クモ」と読むわけだけど、この「クモ」という発音は、どんな過程でそう読もうと決めたのか。
仮に今、漢字が中国から伝わって来たとき、「雲」は空に浮かんでいるあの綿菓子みたいな物体のことで、読み方は「クモ」なんだと教えられたからそうなったという説が正しいとしよう。
でも、漢字が伝わるはるか昔から日本人は空に浮かぶ雲を見ていたわけで、それに何の呼称もつけていなかったってこともないんじゃないかなぁとも思うわけで。
なので今は、中国から漢字が伝わる以前から、あれのことはみんな「クモ」と呼んでいたということにしよう。
まあ、そもそも「クモ」って訓読みだもんね。訓読みは日本独自の読み方だから、中国から伝わったときにも「これはウンと読むアルよ。分かったアルか?」「うん、分かった」っていうやり取りがあったはずだよね。
となると、空に浮かぶあの白い物体をどうして「クモ」と呼んだのか、そこには何か日本的な理由があることになる。
煙みたいにモクモクしているからクモなのか。恵みの雨とは言いつつも、それ以上に水害もたくさん巻き起こしてきたから「あいつは人々に災厄をもたらすアークデーモンみたいなやつだ。略してクモだ」的な流れでクモになったのか。何の考えもなしに「あれってさ、何かこう……クモ! って感じじゃない?」って誰かが言い出したせいでクモになったのか。
たぶんですけど、昔はそんな物の名称をつける際に現代的な手順は追ってなかったと思うんですよね。サランラップが開発者の奥さんの名前(サラとアン)からつけられた、みたいなことはなかったと思うんですよね。もっと直感的というか、語感重視な感じだったと思うんですよ。擬音語に近いイメージって言うの? それこそ煙が漂う様子を「モクモク」と表現するようなレベルで。
ところで、クモと言えば雲の他に「蜘蛛」もある。いわゆる同音異義語ってやつ。
この蜘蛛も、漢字自体は中国から伝わってきたものだと思うけど、やっぱり読み方は日本独自のものであり、だから雲と同じく、何か日本的な理由があって、そういう読み方になったと思われる。
夜の蜘蛛は縁起が悪いっていう迷信の由来になった「よくも来やがったな」って言葉が元になってクモなのか。益虫とは言いつつも、一応毒を持っている蜘蛛は多いし、時には人を死に至らしめることもあったから「あいつは人々に災厄をもたらすアークデーモンみたいなやつだ。略してクモだ」的な流れでクモになったのか。何の考えもなしに「あれってさ、何かこう……クモ! って感じじゃない?」って誰かが言い出したせいでクモになったのか。
僕としては、雲も蜘蛛も「何かこう……クモ! って感じじゃない?」で両者がクモと呼ばれるようになった説は、わりと有力じゃないかと思う。直感的に決めたのだとしたら、なおさらね。
でもそうなるとだよ? 昔の人は、直感的に雲と蜘蛛に何らかの共通性を見出していたことに、なるような?
それも学術的な共通点ではなく、もっと感覚的に「犬の鳴き声って、ワンワンって聞こえるよね」くらいのレベルで、あれらを両方ともクモって言葉がしっくり来るって、判断したことになるようなならないような、そんな気がする。
生まれたときから無人島で育った人とか、どこかにいないかなぁ。
無人島で生まれ無人島で育てば、周りに言葉を発する人がいないので、空に浮かぶ蜘蛛や草原の中に生息する蜘蛛を「クモ」と呼ぶことを知らない。そんな何の予備知識もない人に対して「これは何ですか?」って質問したら、何て答えるだろう。
もし昔の人が本当に直感的に雲や蜘蛛を「クモ」と思ったのなら、この人もきっと、質問に対して「クモ!」って答えるのではないだろうか……。
まあ、もしも本当にそんな人がいたら、生まれたときからどうやって一人で生きて来れたのかの方が、よっぽど気になりますけどね。
例えば「雲」は「クモ」と読むわけだけど、この「クモ」という発音は、どんな過程でそう読もうと決めたのか。
仮に今、漢字が中国から伝わって来たとき、「雲」は空に浮かんでいるあの綿菓子みたいな物体のことで、読み方は「クモ」なんだと教えられたからそうなったという説が正しいとしよう。
でも、漢字が伝わるはるか昔から日本人は空に浮かぶ雲を見ていたわけで、それに何の呼称もつけていなかったってこともないんじゃないかなぁとも思うわけで。
なので今は、中国から漢字が伝わる以前から、あれのことはみんな「クモ」と呼んでいたということにしよう。
まあ、そもそも「クモ」って訓読みだもんね。訓読みは日本独自の読み方だから、中国から伝わったときにも「これはウンと読むアルよ。分かったアルか?」「うん、分かった」っていうやり取りがあったはずだよね。
となると、空に浮かぶあの白い物体をどうして「クモ」と呼んだのか、そこには何か日本的な理由があることになる。
煙みたいにモクモクしているからクモなのか。恵みの雨とは言いつつも、それ以上に水害もたくさん巻き起こしてきたから「あいつは人々に災厄をもたらすアークデーモンみたいなやつだ。略してクモだ」的な流れでクモになったのか。何の考えもなしに「あれってさ、何かこう……クモ! って感じじゃない?」って誰かが言い出したせいでクモになったのか。
たぶんですけど、昔はそんな物の名称をつける際に現代的な手順は追ってなかったと思うんですよね。サランラップが開発者の奥さんの名前(サラとアン)からつけられた、みたいなことはなかったと思うんですよね。もっと直感的というか、語感重視な感じだったと思うんですよ。擬音語に近いイメージって言うの? それこそ煙が漂う様子を「モクモク」と表現するようなレベルで。
ところで、クモと言えば雲の他に「蜘蛛」もある。いわゆる同音異義語ってやつ。
この蜘蛛も、漢字自体は中国から伝わってきたものだと思うけど、やっぱり読み方は日本独自のものであり、だから雲と同じく、何か日本的な理由があって、そういう読み方になったと思われる。
夜の蜘蛛は縁起が悪いっていう迷信の由来になった「よくも来やがったな」って言葉が元になってクモなのか。益虫とは言いつつも、一応毒を持っている蜘蛛は多いし、時には人を死に至らしめることもあったから「あいつは人々に災厄をもたらすアークデーモンみたいなやつだ。略してクモだ」的な流れでクモになったのか。何の考えもなしに「あれってさ、何かこう……クモ! って感じじゃない?」って誰かが言い出したせいでクモになったのか。
僕としては、雲も蜘蛛も「何かこう……クモ! って感じじゃない?」で両者がクモと呼ばれるようになった説は、わりと有力じゃないかと思う。直感的に決めたのだとしたら、なおさらね。
でもそうなるとだよ? 昔の人は、直感的に雲と蜘蛛に何らかの共通性を見出していたことに、なるような?
それも学術的な共通点ではなく、もっと感覚的に「犬の鳴き声って、ワンワンって聞こえるよね」くらいのレベルで、あれらを両方ともクモって言葉がしっくり来るって、判断したことになるようなならないような、そんな気がする。
生まれたときから無人島で育った人とか、どこかにいないかなぁ。
無人島で生まれ無人島で育てば、周りに言葉を発する人がいないので、空に浮かぶ蜘蛛や草原の中に生息する蜘蛛を「クモ」と呼ぶことを知らない。そんな何の予備知識もない人に対して「これは何ですか?」って質問したら、何て答えるだろう。
もし昔の人が本当に直感的に雲や蜘蛛を「クモ」と思ったのなら、この人もきっと、質問に対して「クモ!」って答えるのではないだろうか……。
まあ、もしも本当にそんな人がいたら、生まれたときからどうやって一人で生きて来れたのかの方が、よっぽど気になりますけどね。