本日の日本は天晴な晴天

この記事はだいぶ前に書かれたものなので情報が古いかもしれません
直立している立直棒

この記事を三行にまとめると

最も意味が遠くなる熟語って何になるんだろう?
距離が遠い熟語あるでーって思った方はぜひご一報をいただきたい
うちのブログにしてはずいぶんとあっぱれなオチだと思う
漢字二文字の熟語ってもんのすごくたくさんあると思うんですけど、その二文字の漢字の前後を入れ替えた時に最も意味が遠くなる熟語って何になるんだろう?

例えば「左右(さゆう)」という熟語の漢字を入れ替えると「右左(みぎひだり)」になりますが、どちらも意味は同じですよね(たぶん)。読み方が音読みから訓読みに変わるくらいなもんです。「便利」も入れ替えると「利便」ですが、この二つもほぼ意味に違いはないです(たぶん)。利便は便利さの度合いみたいな意味になるのかな……? でも「利便性が高い」っていうのは「とっても便利」という意味になると思うので、やはりそれほど違いがある感じでもない。

でも、例えば「食間」という熟語はどうでしょうか。入れ替えると「間食」になります。食間は食事と食事の間を表すのに対し、間食は食事と食事の間に食べるおやつ的な意味の言葉です。カテゴリ的には近いニュアンスを持っていると言えますが、同義ではないですよね。

「習慣」という熟語は入れ替えると「慣習」になります。習慣は日頃から繰り返し行なっている慣れ親しんでいることみたいな意味です。慣習にも慣れ親しむことみたいな意味はあるようですが、ルーチンワークと言うよりかは社会的に一般化している習わしみたいな意味を持つ言葉なので、ニュアンスとしては習慣は個人、慣習は団体に対して使う感じでしょうか。だからちょっと意味が離れていると言って良いと思います。

こんな感じで二つの熟語の意味がどれだけ似ているかを距離で考えた時、最も距離が離れている、つまり最も意味が違う熟語はどれなのか……今日はそれをちょっと探してみたいと思います。まあ僕も全ての二字熟語を知っているわけではないので自分の知っている中でという話にはなってしまいますが、もしこの記事を最後まで読んで、もっと距離が遠い熟語あるでーって思った方はぜひご一報をいただきたい。



まずどういうものが距離が遠いと言えるのかを考えた時、感覚的に分かりやすいのはそれぞれが全く違うジャンルに属するものを指す場合ですかね。例えば「長身」は背が高いことなのに対して「身長」は背の高さそのものを意味します。同じ意味ではないけれど、どちらも背について表した単語という意味では共通しています。「王女」は入れ替えると「女王」ですが、同一人物を表す言葉ではないけれど、誰を指すかによっては親子という近さがありますね。これらはジャンル的には同じと思って良いでしょう。こういう感じではなく、両者が全く別のもの、例えば片方は何かしらの物体を表すのに対してもう片方は行為とか概念を表すような熟語とかを見つけたいですね。

「水着」と「着水」はどうでしょう。片や衣服で片や行動を指しますから、上記の二つに比べたら少し距離が離れているようにも思います。でも両方とも水場に関連するって意味ではもっともっと距離が離れている熟語はたくさんありそうですね。「花火」と「火花」も物体と現象(?)という差はありますが、火花は花火から出ると考えるとやはりそこまで遠いとは言いきれない。もっと何か……満月と月餅みたいに「こいつは明らかに違うもの!」と分かりやすく判断できる熟語が欲しいところです。

「子分」と「分子」はわりと良いかもしれない。子分は手下とか配下とかみたいな意味ですが、分子は分数の上の数字、あるいは原子の集合体のアレですからね。僕たち人間も分子の塊でできていると考えると子分も分子の集合体だと言えなくもないですが、今回はそこまでは突っ込まないことにしましょう。

「奇数」と「数奇」もそこそこ離れていると言えるでしょうか。奇数は二で割り切れない数なのに対し、数奇は不幸な偶然みたいな意味です。数奇な運命とか言ったりしますね。これも、不幸な偶然は仕方ないと簡単に割り切ることができないものだから割り切れないという共通項があるぞとか言い出すとキリがないので、今回は突っ込まないことにしましょう。

「規定」と「定規」も結構離れているのかしら。規定はルールみたいな意味なのに対して定規は線を引く道具です。これもルールとはやって良いことといけないことの線引きをするものだから近いと言えなくもないとかいうのはナシの方向で。

「直立」と「立直」あたりも結構良い線行ってるかもしれません。直立はまっすぐに立つことだし立直は麻雀の役だから、これはだいぶ離れているような気がする。麻雀で立直する時はだいたい座ってるしな。わざわざ立ち上がって宣言したりはしない。でもたまーに麻雀漫画なんかでは立直棒をまっすぐに立てるシーンを見かけますけどね。

「日本」も良い感じかな? 入れ替えると「本日」になる。意味としては全く別もんですよね。国の名前と暦の表現ですから。ここまで見てきた中では一番距離が遠いと言って良いかもしれないですね。数奇や規定と違ってヤボなツッコミも思いつかないし。



うーん、距離の遠い熟語を探すのって意外と難しいですね……。

実を言うと僕の中では「番茶」と「茶番」がかなり上位になるんじゃないかなとか思ったんですよ。ほら、前回茶番おつ的な話をしたじゃないですか。その時にふと「茶番をひっくり返して番茶にするとだいぶ意味が変わるよな」って思ったんですよね。でも調べてみたら茶番にはお茶を淹れる人みたいな意味もあるらしいので、上記の中でいうと花火と火花の距離に近い感じになっちゃうかなと思いまして、じゃあもっと他のを探してみようかというのが今回の記事を書くきっかけになりました。

いまいち距離が分からない熟語も結構あるんですけどね。「理論」と「論理」とか。全く同じ意味ではないはずなんですけど、でも両者の意味の違いを説明しろと言われたら正確には説明できない気がします。セオリーとロジックみたいな違いだと思うんですが、でもセオリーとロジックの違いを説明しろと言われたら……以下同文。

「空虚」と「虚空」とかもいまいち違うのかどうかがよく分からん。「司祭」と「祭司」とかね。「道筋」と「筋道」も……何となく違うような気もするし特に違いがないような気もする。



まあ、まだまだ探せばいくらでもありそうなもんですが、あまり長くなってもあれなんで、本日のところは日本と本日が一番遠いってことにしときましょうか。日本語の奥深さに触れたら日本という単語が一番だったっていうのは、うちのブログにしてはずいぶんとあっぱれなオチだと思うしね。



P.S.
この辺の単語も検証してみたかった。

部下、下部。下手、手下。身分、分身。議会、会議。情欲、欲情。中心、心中。行進、進行。中年、年中。事情、情事。人外、外人。路線、線路。長所、所長。人数、数人。回数、数回。演出、出演。客先、先客。晴天、天晴。
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