この記事を三行にまとめると
その気になれば歩けない距離でもないんじゃね?あんな恐ろしい奇跡が起こるとは、いったい誰が予想したであろうか……
Googleマジやばくね?
東京に住んでた頃、僕は満員電車が苦手でした。まあ「俺は満員電車得意だぞ!!」って人もめったにいないと思いますが、とにかく都内は電車が混んでることが多いので、どうしても急がなきゃいけないとかこれはさすがに徒歩では厳しいかもっていう状況でもない限りは、極力歩くようにしてたんですよ。浅草に住んでた頃は神田や神保町あたりまでならだいたい歩いてました。
田舎者の僕からすりゃ、都内の一駅なんてそこまでたいした距離じゃないですからね。浅草ー神田間も電車だと五、六駅くらいあったと思うんですが、距離にすればたぶん5kmもないと思います。徒歩でちょうど一時間くらいだったと思うし。職場へも片道40分くらいかけて歩いてました。
でも田舎はそうもいかない。田舎は一駅だけで5km以上離れてることもざらにある。山を越えることもある。そんな田舎で六駅分歩くとなると、江戸時代に参勤交代をこなしてた人ならともかく、体力のないこてこての現代人であるところの僕にはだいぶ厳しい。
そんな風に思っていた時期が僕にもありました。
僕は普段車で会社に通ってるんですが、走行距離を見る限り、家から職場までは片道20kmくらいなんですよ。いや20kmって結構な距離だけど、でも言ってみればフルマラソンの半分ですからね。その気になれば歩けない距離でもないんじゃね?
というわけで、実際に歩いてみることにしました。
これは普段通勤に使ってるルートです。正確に家から会社までのルートを示してるわけじゃないですけど、会社は長野駅から徒歩一分くらいのところにあるし家は黒姫駅から徒歩一分くらいのところにあるので、長野駅から黒姫駅までの移動がほぼドアtoドアと思って良いです。
GoogleMapでも距離は22kmって出てますね。やはりハーフマラソンくらいの距離のようです。このルートだと電車で移動するよりも短い。電車だと右側に弧を描いたような移動になるから……30kmくらいあるのかな。長野から黒姫までは六駅あるから、平均すると一駅の間隔はちょうど5kmくらいですね。実に田舎らしい距離です。
今回はこのルートを歩いてみました。上記にもある通り、Googleさんによれば5時間ほどかかるとのことですが、そこそこ上り坂も続きますし、都内で深夜のウォーキングイベントを定期的に開催している知人から「休憩はこまめに取った方がいいっすよ」というアドバイスもいただいたので、まあ休み休み、7時間くらいかけて踏破するくらいのペースでいけば良いかなぁなんて思ってたんですよ。スタートする前までは。
それなのにまさか、あんな恐ろしい奇跡が起こるとは、いったい誰が予想したであろうか……。
しかし地図で改めて見ると、わりと直線的なルートなんだね。車だとそれなりにくねくねしたとこ運転してるんですが。まあ縮尺の問題もあるか。
ではさっそくスタートです。
時刻は深夜0時。終電もなくなり閑散としている長野駅東口です。スマホに標準搭載されている万歩計が0時になるとリセットされるので、せっかくなので走行距離や歩数も一緒に見ていきましょう。
念のため言っておきますと、深夜に田舎の山道を歩くのはオススメしません。あまりマネしない方が良いでしょう。街灯も少ないし熊が出るかもしれないし(この記事を書いてる人は特殊な訓練を受けています)
4kmほど来ました。
そういや俺、夜景を撮るのが満員電車よりも苦手だったわ……というわけで、こっから先、写真はだいたいどれもこんな感じです。どうかひらにご容赦ください。どうしても風景の写真が見たい人はGoogleMapの写真などで補完してください。
写真の左側にある「人力車」というラーメン屋さんは、信州人が(たぶん)愛してやまないラーメン屋さんです。ご飯が何杯でも無料で食べられるのでついラーメンライスをしたくなっちゃう、そんな庶民の味方のお店です。ランチだと餃子が100円で食べられる、そんな庶民の味方のお店です。一年ほど前までは「くるまやラーメン」という名前でした。もし「味噌ラーメンにチーズ入れるとかマジで頭おかしいわ」って思わないのであれば、個人的にはチーズ味噌ラーメンとか結構オススメですよ。
ちなみに地図で言うとこの辺りです。
すぐ近くに長野高校という、県内で一、二を争う進学校があります。某法律相談番組で大活躍だった北村弁護士や元東京都知事の猪瀬さん、エイベックスの創業者である依田さんなどの出身校です。
ここはまだ市内の大通りなので街灯もありますし歩道も整備されてます。熊も出ません。でも油断はできない。何年か前に長野駅に熊が出たこともあったからな……。
その時のニュース
万歩計はこんな感じです。
まだまだ序の口ってとこですかね。
さらに1kmほど進みました。
セブンイレブンです。いくら田舎といってもセブンイレブンくらいあります。
地図でいうとこの辺り。
僕みたいに歩いて長野から黒姫まで帰ろうというイカれたイカした行動を取るなら、このコンビニは確実に立ち寄っておくべきでしょう。カロリーメイトやチョコレートなどの固形物も欲しいならなおさらです。
なぜなら、これから通るルートではこれが最後のコンビニなるからです。まだ全体の4分の1くらいしか進んでませんがこれが最後のコンビニです。もう一度言います。残りまだ15km以上の道のりがありますが、ここを逃すともうコンビニはありません。でも仕方ない。田舎とはそういうものなんです。
見づらくて申し訳ないんですけど、右の電光掲示板に「最終コ」って書いてあるのが見えますかね? これは「戸隠・飯綱方面の最終コンビニ」みたいなメッセージの一部です。戸隠ってのは今回のルートとは別の方面なのですが、とにかくそれくらいコンビニがないってことです。田舎とはそういうものなんです。
僕もしっかりと水分を確保しました。ここを逃すと砂漠でオアシスを求めるがごとく水分補給は厳しくなるからね。せいぜい自販機が三箇所くらいあるだけです。小腹が空いても吉野家もマックも西友もないので固形物は手に入りません。田舎とはそういうものなんです。
ついでに言うと二、三回横道に入る必要はありますが、ルート次第ではこの先信号を一つも通らずに車で黒姫駅まで行くことも可能です。田舎とはそういうm
さらにもう少し進んでみます。
写真だけ見てもただ暗いだけですね。こういう光源のないところでも良い写真を撮る方法を誰か教えてください。
地図でいうとこの辺。
万歩計も見てみましょう。
普段の僕からすると結構歩いてるなーって感じの距離です。普段は多くても一日で4000歩くらいしか歩かないからな……。
ここから先は延々と上り坂が続きます。さっきの写真も真っ暗でしたが、ここからは街灯も歩道もほとんどない道が続きますので、あらゆる意味で注意が必要です。自分の身の安全はともかく、いくら夜中はめったに車が通らないとはいえ、車を運転してる人もこんな時間にこんなところを人が歩いてるとは思ってないはずなので(実際歩行者なんてまずいない)、万が一の事態が発生したときに「こっちは交通弱者なんだぞ慰謝料払えやコラァ!!」という当たり屋的な発言もどこまで通用するか分からない。
というわけで、こっからは暗いよ狭いよ怖いよーって感じの道が続くから、テンションを上げるために音楽をOFFSPRINGにチェンジします。ここまではSound Horizonを聞いてました。夜空を眺めながら、光年という途方もない尺度の前では一夜の旅など刹那の幻に過ぎないのかもしれないなーと思って歩いてました。
よーし。テンション上がってキタ──(≧∇≦)──!!
ところで、ここから先の上り坂を「坂中峠」と言うんですが、街灯がほとんどないこともあってか、結構夜景がキレイに見える場所なんですよ。長野だと姨捨サービスエリアから見える夜景が日本の夜景100選に入るくらいキレイで有名なんですけど、僕はここから見える夜景もそれなりだと思う。
ただ、ここまで記事を読み進めてきた方には言わずもがなですが、僕は写真撮影の技術が大変にアレなので、残念ながらその良さを伝えることができない。
一応撮ってはみたのですが、これが今の僕の限界です。くそっ……実に無念だ。マーシトロンを注入した時のアカギくらい無念だッ……!!
まあ、僕は写真家でもないし夜景に詳しいロマンチストでもないですが、本当にここからの夜景は悪くないと思うので、興味がある方はぜひここを訪れて自分の目で確かめてみてください。もちろん徒歩ではなく車でね。夜中にこんなところまで歩いてくるのは特殊な訓練を受けているか思考回路がショート寸前の狂人かのどちらかでないと厳しいので(この記事を書いている人は特殊な訓練を受けたことにより思考回路がショートしています)
夜景を尻目にどんどん坂を上っていきます。
坂の途中にある看板。ムサシ。東京スカイツリーと同じですね。もしスカイツリーが海抜0mのところに建てられていたら、そのてっぺんとここは同じ高さってことになりますかね。
地図だとこの辺になるかな。
歩数も一万歩を超えました。
さらに上り坂は続きます。
ただいまの気温5度だって。ずっと坂を上り続けてたおかげもあって、この時点での僕はかなりの汗だくで、シャツ一枚になってた上に腕まくりまでしてそれでもちょっと暑いとか思ってたんですが、実は思いのほか寒かったようです。5度って冬じゃん。でもマジで全然寒いと感じてなかった。まあ箱根駅伝のマラソン選手たちだって正月から袖なし短パンだもんな。体を動かすってのはそういうことなんだな。
トンネルに来ました。今回のルートで唯一のトンネルです。やっと明るいところに来たぜよー。暗いの怖かったよー。
ここは車でしか通ったことがないから、歩くのは初めてです。歩いてみて改めて思いましたが、結構長いトンネルだったんだな。
1.4kmだって。歩いてるときは気にしてなかったけど、よくよく考えたら、いくら明るいとはいえ、泣く子も黙る丑三つ時にほとんど人が通らないトンネルを歩くってめっちゃ怖いな。幽霊が出てきても何らおかしくないシチュエーションやんけ。ああ、iPodにOFFSPRING入れといてほんと助かったわー。
まあ、ここは昼夜を問わず歩行者がいる場所じゃないから、車で通る人からしたらこんな時間に歩いている俺の方が幽霊に見えてもおかしくないですね。実際、僕がトンネルを歩いてる間に三台くらい車が通りましたけど、ギョッとした人もいるかもしれませんね。申し訳ありません。
もしこの記事を読んでる方で、五月四日の深夜2時頃にこの付近を車で通って、その時に歩いてる不審な奴を見たぞって方。幽霊ではないのでご安心ください。もしその不審人物が茶色のリュックサックを背負ってアクエリアスのペットボトルをがぶ飲みしていたのなら間違いなく僕です。ご安心ください。
1.4kmの旅を終え、気がつけば出口付近。
霊的な何かは全く起こりませんでした。これっぽっちも霊感ないからな、僕。何枚かトンネルの中で写真撮ったけど、それ的な写真は一枚も撮れませんでした。小さい頃はそういうの結構興味あったんですけどね。宜保愛子さんの鑑定した心霊写真集とか好きで結構集めてたんだけど、自分自身がそういう体験をしたことは一度もない。今回も案の定だったわ。
正確に言うとトンネルに入る前に一枚だけちょっとおかしな写真が撮れたっちゃ撮れたんだけど、別に心霊写真とかではないと思う。角度とかの問題でたまたま変なものが写っちゃっただけでしょう。「鑑定してやるから見せろ」って言われれば載せますが、本職の人が鑑定しても何でもないって言うと思う。
しかしそういうのが好きとはいえ基本的には小心者でビビリな僕です。トンネルを抜けてからまた人気も街灯もない道を進むには、さらなるテンションアップが必要だ。
そんなわけで、音楽をDragonForceにチェンジします。
これで幽霊だろうが猛獣だろうが怖くない。ヘッドバンキングしながら月の光に導かれ何度もムーンウォークすることも可能だぜ。ああ、DragonForceも入れてて本当に良かったわー。
トンネルを抜けた後はしばらく下り坂が続きます。しかし安心してはいけない。登山でもそうなんですが、実は上りよりも下りの方が膝への負担は大きくてきついのです。スピードが出るからといって楽観してはならないのだ。
ついでに、ここからはマジで街灯が一切ない夜道をしばらく歩くことになるので、なおさら楽観はできない。
一応写真も撮ったけど……見ます?
載せる意味があんのかってくらい真っ暗です。松崎しげるがいても分からないほど驚きの黒さです。カタカケフウチョウやスーパーブラックフィッシュに匹敵するほどの黒さです。カラーコードで言うと#020202から#040404の間くらいらしいよ。
地図だとこの辺になります。
さらに進むとしばらくぶりに信号が。
泣きたくなるようなムーンライトに頼るだけの道を歩いてきましたから、もはや信号の光すら恋しく感じますね。先ほども言いましたが、ちょいと横道に入ればこの信号は通らずに進むことも可能です。
地図でいうとこの辺りです。
距離もだいぶ進みました。
約13km。予定では22kmのルートですから、6割くらいまで来たことになりますかね。
さらに2km近く進んだところで貴重な給水ポイントその1が。
コンビニで買った飲み物も底をついたので、ここらで水分を補給しましょう。僕は炭酸飲料が好きなので、CCレモンを買うことにします。
さらに進んでいきますが、さっきみたいに真っ暗な写真が何枚か撮れただけなので割愛。せめてもうちょっと街灯があれば少しくらいは何かが見える写真が撮れたんですがね。田舎とはそういうもん……じゃなくって、素人が真っ暗な風景を撮影するとはそういうもんです。
しばらくぶりに真っ暗じゃない写真が撮れたのがこちら。
貴重な給水ポイントその2。地図でいうとこの辺です。
先ほどセブンイレブンが最後のコンビニだって言いましたが、昔はここに同級生の実家が経営してるコンビニがあったんですよ。たぶん家族経営の個人商店だったと思うんだけど。なつかしいなぁ。
さらに歩くこと十数分。段々と空が明るくなってきました。
距離ももう少しで20kmの大台に乗るところまで来たぞ。
この辺まで来るとさすがに足がしんどくなってきました。普段から運動してるわけじゃないですからね。特に土踏まずの辺りがだいぶ痛くなってきた。でももう一踏ん張りなので一歩ずつ大地を踏みしめていきましょう。
最後の給水ポイント。だいぶ外が明るくなりました。遠目でも熊を視認できるレベルです。この時は見当たらなかったけど、実際にこの近辺の田んぼやら畑に熊が出没して、畑仕事をしてたご老人が危ない目にあったりもしたんですよ。ここらの人間にとっちゃ幽霊よりも熊の方が実害があって怖いのさ。彼らも山に食べ物がなくて困ってるからな……だからって畑を荒らして良いよとは言えないけれども。
写真の左側にある建物はお店っぽく見えないですけど、仁の蔵というれっきとしたお蕎麦屋さんです。蕎麦と天ぷらが美味しいお店です。僕が食べたのは何年も前なので味が変わってしまっている可能性はなきにしもあらずですが、あの頃と味が変わってないのならかなりオススメですぞ。
最後の信号です(もちろん回避可)
さらに進むと一軒の空き家があります。
何年か前に株式会社LIGさんがリノベーションした通称「堀田小屋」です。
詳細はこちら
こんなところで勝手に紹介したら怒られるかもしれませんが、怒られたら謝ろう。いつでもDOGEZAできる準備は整えておく。
ここまで来たらあと一息です。
黒姫駅前の商店街。この先に黒姫駅があります。
商店街とは言っても、今や商店じゃない家の方が多いかも。僕が学生の頃はほとんどの家が何かしらの商売をやってたんだけどな……すっかり廃れてしまいました。寂しいとは思いますが、これも田舎の宿命ってやつなのかもしれません。僕の家も昔は薬局だったんですが、今はただの民家です。
この最後の直線を抜けると……
ゴール! ゴールゴールゴールゴールゴルゴルゴルゴォォォォォル!!(CV:船越雅史)
黒姫駅に到着です。都会ならもう電車が動いてる時間ですが、ここは始発が6時過ぎなのでまだ誰もいません。終電も、東京なら0時過ぎまで電車が動いてますが、ここは23時くらいが最後です。でも仕方ない。田舎とはそういうものなんです。むしろ田舎で終電が23時まであるのは良心的な方かもしれん。
何はともあれ、無事に黒姫駅に到着しました。
最終的に歩いた距離は22.4kmでした。GoogleMapの計算では22km。だいたい計算通りの距離でしたね。
ところで、ちょっとこの写真を見てほしいんだけど。
時計が指している時刻はおそらく5時7分か8分です。
最初にGoogleMapが算出した移動にかかる時間、覚えてる? 5時間7分でしたよね。つまり0時に長野駅を出発した場合、5時7分に黒姫駅に着くとGoogle先生は計算したわけですよ。まさにその計算通りの時間に黒姫駅に着いたことになる。
距離も時間もここまで正確だと何か怖くね? ずっと歩きっぱなしだったわけじゃなくて、それなりにきちんと休憩を取りながら来たのよ? 写真を撮るために立ち止まったりもしたしさ。それで計算通りの時間って、Googleマジやばくね? 僕が写真を撮ったり休憩を取る時間すらも全て計算していたと言うのか!? 僕の動きは完全に読まれていたと言うのですかッ!?
いや、君たちの言いたいことは分かるよ。「どうせ少し早めに着いたけどそんな演出をしたいがために、黒姫駅で数分待機してたんだろ?」と思いたくなる気持ちはもっともだ。でもマジで上の写真は駅に着いてすぐに撮ったのよ。万歩計のスクショだってそうよ。断じて5時7分になるまで待っていたわけじゃない。
そんなできすぎコージーな展開、こんなピンポイントなタイミングで起こるわけないと言いたいのは分かる。僕だって当人じゃなきゃそう思うし、本当に5時くらいに着いてたらせっかくだから5時7分に着いたってことにしようって思っただろうさ。断じてヤラセではなく、あくまでも演出としてね。
とにかくまあ……信じるか信じないかは、あなた次第です。
でもあれかな。Googleならきっといろんなビッグデータを持ってるし、「20キロメートルの道のりを時速4キロで歩いたら移動にかかる時間は5時間です」っていう、そんな算数の練習問題みたいな単純な計算はしないんでしょうね。あの天下のGoogleだもん。あらゆるデータや計算能力を駆使して信頼度の高い答えを導き出したに違いない。そして俺はまんまとその計算に従ってしまったわけだ。他人の計算通りにしか生きられない、そんなつまらない男なんですよ僕は。
Google先生が起こした悪魔の奇跡は置いといて、とりあえずは熊に襲われることもなく、車にひかれることもなく、肉離れを起こすこともなく、無事に踏破できて良かったです。やっぱり歩こうと思えば歩ける距離なんだな。東京で一人暮らししてた時期を除けばかれこれ二十数年ここに住んでいるわけですけど、長野から黒姫まで歩こうなんて思ったことは一度もなかったです。何でもやってみるもんだ。
しかし、万歩計でも900キロカロリー以上消費してるし、こんだけ歩けばさぞ痩せるんだろうなとか思ってたんですが、いざ体重を測ってみたら痩せるどころか前日よりも0.6kgくらい増えてました。途中で何か食べたわけじゃないし、歩きすぎて足がむくんでたとか、そんなんが原因なんですかね。ウォーキングはダイエットに良いと言いますが、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしってやつなのかもしれません。
機会があればまたどこかの長距離を歩いてみようかなと思います。でも次にやるなら昼が良いですね。写真が上手く撮れないし、深夜のトンネルを歩くのが怖いことにも気づいちゃったしね。
田舎者の僕からすりゃ、都内の一駅なんてそこまでたいした距離じゃないですからね。浅草ー神田間も電車だと五、六駅くらいあったと思うんですが、距離にすればたぶん5kmもないと思います。徒歩でちょうど一時間くらいだったと思うし。職場へも片道40分くらいかけて歩いてました。
でも田舎はそうもいかない。田舎は一駅だけで5km以上離れてることもざらにある。山を越えることもある。そんな田舎で六駅分歩くとなると、江戸時代に参勤交代をこなしてた人ならともかく、体力のないこてこての現代人であるところの僕にはだいぶ厳しい。
そんな風に思っていた時期が僕にもありました。
僕は普段車で会社に通ってるんですが、走行距離を見る限り、家から職場までは片道20kmくらいなんですよ。いや20kmって結構な距離だけど、でも言ってみればフルマラソンの半分ですからね。その気になれば歩けない距離でもないんじゃね?
というわけで、実際に歩いてみることにしました。
これは普段通勤に使ってるルートです。正確に家から会社までのルートを示してるわけじゃないですけど、会社は長野駅から徒歩一分くらいのところにあるし家は黒姫駅から徒歩一分くらいのところにあるので、長野駅から黒姫駅までの移動がほぼドアtoドアと思って良いです。
GoogleMapでも距離は22kmって出てますね。やはりハーフマラソンくらいの距離のようです。このルートだと電車で移動するよりも短い。電車だと右側に弧を描いたような移動になるから……30kmくらいあるのかな。長野から黒姫までは六駅あるから、平均すると一駅の間隔はちょうど5kmくらいですね。実に田舎らしい距離です。
今回はこのルートを歩いてみました。上記にもある通り、Googleさんによれば5時間ほどかかるとのことですが、そこそこ上り坂も続きますし、都内で深夜のウォーキングイベントを定期的に開催している知人から「休憩はこまめに取った方がいいっすよ」というアドバイスもいただいたので、まあ休み休み、7時間くらいかけて踏破するくらいのペースでいけば良いかなぁなんて思ってたんですよ。スタートする前までは。
それなのにまさか、あんな恐ろしい奇跡が起こるとは、いったい誰が予想したであろうか……。
しかし地図で改めて見ると、わりと直線的なルートなんだね。車だとそれなりにくねくねしたとこ運転してるんですが。まあ縮尺の問題もあるか。
ではさっそくスタートです。
時刻は深夜0時。終電もなくなり閑散としている長野駅東口です。スマホに標準搭載されている万歩計が0時になるとリセットされるので、せっかくなので走行距離や歩数も一緒に見ていきましょう。
念のため言っておきますと、深夜に田舎の山道を歩くのはオススメしません。あまりマネしない方が良いでしょう。街灯も少ないし熊が出るかもしれないし(この記事を書いてる人は特殊な訓練を受けています)
4kmほど来ました。
そういや俺、夜景を撮るのが満員電車よりも苦手だったわ……というわけで、こっから先、写真はだいたいどれもこんな感じです。どうかひらにご容赦ください。どうしても風景の写真が見たい人はGoogleMapの写真などで補完してください。
写真の左側にある「人力車」というラーメン屋さんは、信州人が(たぶん)愛してやまないラーメン屋さんです。ご飯が何杯でも無料で食べられるのでついラーメンライスをしたくなっちゃう、そんな庶民の味方のお店です。ランチだと餃子が100円で食べられる、そんな庶民の味方のお店です。一年ほど前までは「くるまやラーメン」という名前でした。もし「味噌ラーメンにチーズ入れるとかマジで頭おかしいわ」って思わないのであれば、個人的にはチーズ味噌ラーメンとか結構オススメですよ。
ちなみに地図で言うとこの辺りです。
すぐ近くに長野高校という、県内で一、二を争う進学校があります。某法律相談番組で大活躍だった北村弁護士や元東京都知事の猪瀬さん、エイベックスの創業者である依田さんなどの出身校です。
ここはまだ市内の大通りなので街灯もありますし歩道も整備されてます。熊も出ません。でも油断はできない。何年か前に長野駅に熊が出たこともあったからな……。
その時のニュース
万歩計はこんな感じです。
まだまだ序の口ってとこですかね。
さらに1kmほど進みました。
セブンイレブンです。いくら田舎といってもセブンイレブンくらいあります。
地図でいうとこの辺り。
僕みたいに歩いて長野から黒姫まで帰ろうという
なぜなら、これから通るルートではこれが最後のコンビニなるからです。まだ全体の4分の1くらいしか進んでませんがこれが最後のコンビニです。もう一度言います。残りまだ15km以上の道のりがありますが、ここを逃すともうコンビニはありません。でも仕方ない。田舎とはそういうものなんです。
見づらくて申し訳ないんですけど、右の電光掲示板に「最終コ」って書いてあるのが見えますかね? これは「戸隠・飯綱方面の最終コンビニ」みたいなメッセージの一部です。戸隠ってのは今回のルートとは別の方面なのですが、とにかくそれくらいコンビニがないってことです。田舎とはそういうものなんです。
僕もしっかりと水分を確保しました。ここを逃すと砂漠でオアシスを求めるがごとく水分補給は厳しくなるからね。せいぜい自販機が三箇所くらいあるだけです。小腹が空いても吉野家もマックも西友もないので固形物は手に入りません。田舎とはそういうものなんです。
ついでに言うと二、三回横道に入る必要はありますが、ルート次第ではこの先信号を一つも通らずに車で黒姫駅まで行くことも可能です。田舎とはそういうm
さらにもう少し進んでみます。
写真だけ見てもただ暗いだけですね。こういう光源のないところでも良い写真を撮る方法を誰か教えてください。
地図でいうとこの辺。
万歩計も見てみましょう。
普段の僕からすると結構歩いてるなーって感じの距離です。普段は多くても一日で4000歩くらいしか歩かないからな……。
ここから先は延々と上り坂が続きます。さっきの写真も真っ暗でしたが、ここからは街灯も歩道もほとんどない道が続きますので、あらゆる意味で注意が必要です。自分の身の安全はともかく、いくら夜中はめったに車が通らないとはいえ、車を運転してる人もこんな時間にこんなところを人が歩いてるとは思ってないはずなので(実際歩行者なんてまずいない)、万が一の事態が発生したときに「こっちは交通弱者なんだぞ慰謝料払えやコラァ!!」という当たり屋的な発言もどこまで通用するか分からない。
というわけで、こっからは暗いよ狭いよ怖いよーって感じの道が続くから、テンションを上げるために音楽をOFFSPRINGにチェンジします。ここまではSound Horizonを聞いてました。夜空を眺めながら、光年という途方もない尺度の前では一夜の旅など刹那の幻に過ぎないのかもしれないなーと思って歩いてました。
よーし。テンション上がってキタ──(≧∇≦)──!!
ところで、ここから先の上り坂を「坂中峠」と言うんですが、街灯がほとんどないこともあってか、結構夜景がキレイに見える場所なんですよ。長野だと姨捨サービスエリアから見える夜景が日本の夜景100選に入るくらいキレイで有名なんですけど、僕はここから見える夜景もそれなりだと思う。
ただ、ここまで記事を読み進めてきた方には言わずもがなですが、僕は写真撮影の技術が大変にアレなので、残念ながらその良さを伝えることができない。
一応撮ってはみたのですが、これが今の僕の限界です。くそっ……実に無念だ。マーシトロンを注入した時のアカギくらい無念だッ……!!
まあ、僕は写真家でもないし夜景に詳しいロマンチストでもないですが、本当にここからの夜景は悪くないと思うので、興味がある方はぜひここを訪れて自分の目で確かめてみてください。もちろん徒歩ではなく車でね。夜中にこんなところまで歩いてくるのは特殊な訓練を受けているか思考回路がショート寸前の狂人かのどちらかでないと厳しいので(この記事を書いている人は特殊な訓練を受けたことにより思考回路がショートしています)
夜景を尻目にどんどん坂を上っていきます。
坂の途中にある看板。ムサシ。東京スカイツリーと同じですね。もしスカイツリーが海抜0mのところに建てられていたら、そのてっぺんとここは同じ高さってことになりますかね。
地図だとこの辺になるかな。
歩数も一万歩を超えました。
さらに上り坂は続きます。
ただいまの気温5度だって。ずっと坂を上り続けてたおかげもあって、この時点での僕はかなりの汗だくで、シャツ一枚になってた上に腕まくりまでしてそれでもちょっと暑いとか思ってたんですが、実は思いのほか寒かったようです。5度って冬じゃん。でもマジで全然寒いと感じてなかった。まあ箱根駅伝のマラソン選手たちだって正月から袖なし短パンだもんな。体を動かすってのはそういうことなんだな。
トンネルに来ました。今回のルートで唯一のトンネルです。やっと明るいところに来たぜよー。暗いの怖かったよー。
ここは車でしか通ったことがないから、歩くのは初めてです。歩いてみて改めて思いましたが、結構長いトンネルだったんだな。
1.4kmだって。歩いてるときは気にしてなかったけど、よくよく考えたら、いくら明るいとはいえ、泣く子も黙る丑三つ時にほとんど人が通らないトンネルを歩くってめっちゃ怖いな。幽霊が出てきても何らおかしくないシチュエーションやんけ。ああ、iPodにOFFSPRING入れといてほんと助かったわー。
まあ、ここは昼夜を問わず歩行者がいる場所じゃないから、車で通る人からしたらこんな時間に歩いている俺の方が幽霊に見えてもおかしくないですね。実際、僕がトンネルを歩いてる間に三台くらい車が通りましたけど、ギョッとした人もいるかもしれませんね。申し訳ありません。
もしこの記事を読んでる方で、五月四日の深夜2時頃にこの付近を車で通って、その時に歩いてる不審な奴を見たぞって方。幽霊ではないのでご安心ください。もしその不審人物が茶色のリュックサックを背負ってアクエリアスのペットボトルをがぶ飲みしていたのなら間違いなく僕です。ご安心ください。
1.4kmの旅を終え、気がつけば出口付近。
霊的な何かは全く起こりませんでした。これっぽっちも霊感ないからな、僕。何枚かトンネルの中で写真撮ったけど、それ的な写真は一枚も撮れませんでした。小さい頃はそういうの結構興味あったんですけどね。宜保愛子さんの鑑定した心霊写真集とか好きで結構集めてたんだけど、自分自身がそういう体験をしたことは一度もない。今回も案の定だったわ。
正確に言うとトンネルに入る前に一枚だけちょっとおかしな写真が撮れたっちゃ撮れたんだけど、別に心霊写真とかではないと思う。角度とかの問題でたまたま変なものが写っちゃっただけでしょう。「鑑定してやるから見せろ」って言われれば載せますが、本職の人が鑑定しても何でもないって言うと思う。
しかしそういうのが好きとはいえ基本的には小心者でビビリな僕です。トンネルを抜けてからまた人気も街灯もない道を進むには、さらなるテンションアップが必要だ。
そんなわけで、音楽をDragonForceにチェンジします。
これで幽霊だろうが猛獣だろうが怖くない。ヘッドバンキングしながら月の光に導かれ何度もムーンウォークすることも可能だぜ。ああ、DragonForceも入れてて本当に良かったわー。
トンネルを抜けた後はしばらく下り坂が続きます。しかし安心してはいけない。登山でもそうなんですが、実は上りよりも下りの方が膝への負担は大きくてきついのです。スピードが出るからといって楽観してはならないのだ。
ついでに、ここからはマジで街灯が一切ない夜道をしばらく歩くことになるので、なおさら楽観はできない。
一応写真も撮ったけど……見ます?
載せる意味があんのかってくらい真っ暗です。松崎しげるがいても分からないほど驚きの黒さです。カタカケフウチョウやスーパーブラックフィッシュに匹敵するほどの黒さです。カラーコードで言うと#020202から#040404の間くらいらしいよ。
地図だとこの辺になります。
さらに進むとしばらくぶりに信号が。
泣きたくなるようなムーンライトに頼るだけの道を歩いてきましたから、もはや信号の光すら恋しく感じますね。先ほども言いましたが、ちょいと横道に入ればこの信号は通らずに進むことも可能です。
地図でいうとこの辺りです。
距離もだいぶ進みました。
約13km。予定では22kmのルートですから、6割くらいまで来たことになりますかね。
さらに2km近く進んだところで貴重な給水ポイントその1が。
コンビニで買った飲み物も底をついたので、ここらで水分を補給しましょう。僕は炭酸飲料が好きなので、CCレモンを買うことにします。
さらに進んでいきますが、さっきみたいに真っ暗な写真が何枚か撮れただけなので割愛。せめてもうちょっと街灯があれば少しくらいは何かが見える写真が撮れたんですがね。田舎とはそういうもん……じゃなくって、素人が真っ暗な風景を撮影するとはそういうもんです。
しばらくぶりに真っ暗じゃない写真が撮れたのがこちら。
貴重な給水ポイントその2。地図でいうとこの辺です。
先ほどセブンイレブンが最後のコンビニだって言いましたが、昔はここに同級生の実家が経営してるコンビニがあったんですよ。たぶん家族経営の個人商店だったと思うんだけど。なつかしいなぁ。
さらに歩くこと十数分。段々と空が明るくなってきました。
距離ももう少しで20kmの大台に乗るところまで来たぞ。
この辺まで来るとさすがに足がしんどくなってきました。普段から運動してるわけじゃないですからね。特に土踏まずの辺りがだいぶ痛くなってきた。でももう一踏ん張りなので一歩ずつ大地を踏みしめていきましょう。
最後の給水ポイント。だいぶ外が明るくなりました。遠目でも熊を視認できるレベルです。この時は見当たらなかったけど、実際にこの近辺の田んぼやら畑に熊が出没して、畑仕事をしてたご老人が危ない目にあったりもしたんですよ。ここらの人間にとっちゃ幽霊よりも熊の方が実害があって怖いのさ。彼らも山に食べ物がなくて困ってるからな……だからって畑を荒らして良いよとは言えないけれども。
写真の左側にある建物はお店っぽく見えないですけど、仁の蔵というれっきとしたお蕎麦屋さんです。蕎麦と天ぷらが美味しいお店です。僕が食べたのは何年も前なので味が変わってしまっている可能性はなきにしもあらずですが、あの頃と味が変わってないのならかなりオススメですぞ。
最後の信号です(もちろん回避可)
さらに進むと一軒の空き家があります。
何年か前に株式会社LIGさんがリノベーションした通称「堀田小屋」です。
詳細はこちら
こんなところで勝手に紹介したら怒られるかもしれませんが、怒られたら謝ろう。いつでもDOGEZAできる準備は整えておく。
ここまで来たらあと一息です。
黒姫駅前の商店街。この先に黒姫駅があります。
商店街とは言っても、今や商店じゃない家の方が多いかも。僕が学生の頃はほとんどの家が何かしらの商売をやってたんだけどな……すっかり廃れてしまいました。寂しいとは思いますが、これも田舎の宿命ってやつなのかもしれません。僕の家も昔は薬局だったんですが、今はただの民家です。
この最後の直線を抜けると……
ゴール! ゴールゴールゴールゴールゴルゴルゴルゴォォォォォル!!(CV:船越雅史)
黒姫駅に到着です。都会ならもう電車が動いてる時間ですが、ここは始発が6時過ぎなのでまだ誰もいません。終電も、東京なら0時過ぎまで電車が動いてますが、ここは23時くらいが最後です。でも仕方ない。田舎とはそういうものなんです。むしろ田舎で終電が23時まであるのは良心的な方かもしれん。
何はともあれ、無事に黒姫駅に到着しました。
最終的に歩いた距離は22.4kmでした。GoogleMapの計算では22km。だいたい計算通りの距離でしたね。
ところで、ちょっとこの写真を見てほしいんだけど。
時計が指している時刻はおそらく5時7分か8分です。
最初にGoogleMapが算出した移動にかかる時間、覚えてる? 5時間7分でしたよね。つまり0時に長野駅を出発した場合、5時7分に黒姫駅に着くとGoogle先生は計算したわけですよ。まさにその計算通りの時間に黒姫駅に着いたことになる。
距離も時間もここまで正確だと何か怖くね? ずっと歩きっぱなしだったわけじゃなくて、それなりにきちんと休憩を取りながら来たのよ? 写真を撮るために立ち止まったりもしたしさ。それで計算通りの時間って、Googleマジやばくね? 僕が写真を撮ったり休憩を取る時間すらも全て計算していたと言うのか!? 僕の動きは完全に読まれていたと言うのですかッ!?
いや、君たちの言いたいことは分かるよ。「どうせ少し早めに着いたけどそんな演出をしたいがために、黒姫駅で数分待機してたんだろ?」と思いたくなる気持ちはもっともだ。でもマジで上の写真は駅に着いてすぐに撮ったのよ。万歩計のスクショだってそうよ。断じて5時7分になるまで待っていたわけじゃない。
そんなできすぎコージーな展開、こんなピンポイントなタイミングで起こるわけないと言いたいのは分かる。僕だって当人じゃなきゃそう思うし、本当に5時くらいに着いてたらせっかくだから5時7分に着いたってことにしようって思っただろうさ。断じてヤラセではなく、あくまでも演出としてね。
とにかくまあ……信じるか信じないかは、あなた次第です。
でもあれかな。Googleならきっといろんなビッグデータを持ってるし、「20キロメートルの道のりを時速4キロで歩いたら移動にかかる時間は5時間です」っていう、そんな算数の練習問題みたいな単純な計算はしないんでしょうね。あの天下のGoogleだもん。あらゆるデータや計算能力を駆使して信頼度の高い答えを導き出したに違いない。そして俺はまんまとその計算に従ってしまったわけだ。他人の計算通りにしか生きられない、そんなつまらない男なんですよ僕は。
Google先生が起こした悪魔の奇跡は置いといて、とりあえずは熊に襲われることもなく、車にひかれることもなく、肉離れを起こすこともなく、無事に踏破できて良かったです。やっぱり歩こうと思えば歩ける距離なんだな。東京で一人暮らししてた時期を除けばかれこれ二十数年ここに住んでいるわけですけど、長野から黒姫まで歩こうなんて思ったことは一度もなかったです。何でもやってみるもんだ。
しかし、万歩計でも900キロカロリー以上消費してるし、こんだけ歩けばさぞ痩せるんだろうなとか思ってたんですが、いざ体重を測ってみたら痩せるどころか前日よりも0.6kgくらい増えてました。途中で何か食べたわけじゃないし、歩きすぎて足がむくんでたとか、そんなんが原因なんですかね。ウォーキングはダイエットに良いと言いますが、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしってやつなのかもしれません。
機会があればまたどこかの長距離を歩いてみようかなと思います。でも次にやるなら昼が良いですね。写真が上手く撮れないし、深夜のトンネルを歩くのが怖いことにも気づいちゃったしね。
9時頃に駅を出たので日を跨がずに家に着くことが出来ましたが坂中のトンネルは空気が悪かったのが印象的でした笑