残り物には福がある
ってことわざ、ありますよね。
あれって、どんな経緯で生まれた言葉なんでしょうかね? つまり由来は何でしょうかという疑問なのですが、意外と参考文献を漁ってみても由来までは載っていないようです。
故事成語ってのはだいたいにおいて何かしらの由来があるわけでして、だから何となく格言やことわざには全て何かしらの由来があるのだろうなというのが僕の勝手なイメージなのですが……考えてみたらそれが絶対とは限らないですよね。
何かたまたま口にしてみたら思ったよりも語呂が良かったからことわざにしちまおうってな理由で出来たものも、もしかしたらあるかもしれない。
個人的には、パンドラの箱とか怪しいんじゃないかと思うんですよ。
出てくるもの全てが災厄ばかり。あまりのひどさに、もしかしたら途中で箱を閉めてしまっていたかもしれない。その場から逃げてしまっていたかもしれない。
でも、そんな絶望感に負けず、最後まで見届けたら、希望が残っていた。
ね?
残ったものは、福だったんですよ。
「残り物には福がある」は、語呂というか語感はそんなに悪くないと思うんですよね。
「ところ構わず殴る蹴る」と、舌の滑りやすさは同じレベルだと思います。
夜の校舎の窓ガラスを壊して回ったり盗んだバイクで走りだしたりしていた青春時代。
近づくものは全て殴り飛ばし蹴り倒してきたあの暴走の日々。
不良なわけじゃない。ただ、何となく周囲の全てが怖かった。だから見栄を張るように、横行を繰り返していた。
そんな奴だから、当然のようにずっと独りぼっち。居場所はどこにもなかった。
修学旅行の自由行動の日も、他のみんなは思い思いにグループを作って城めぐりを楽しんでいるのに、自分だけは独りぼっち。
特に行きたいところもないから、ホテルのロビーでぼーっとしていた。
「どこにも行かないの?」
いきなり声をかけられた。
顔を上げると、そこには自他共に認める学年一のマドンナが立っていた。
目を見張るほどの美人で、男子の人気も非常に高いが、今のところ付き合っている人はいないらしい。高嶺の花過ぎて、声をかけづらいというのがみんなの本音だ。
長い前髪を耳にかけながら彼女は寂しそうに笑った。
「あなたも一人なのね。私もそう。お高く止まってると思われてるのか知らないけど、みんな仲良くしてくれないのよね。おかげで完全に売れ残っちゃったわ」
確かにそう思われている節はある。黙っていても高貴な雰囲気の漂う金持ちの令嬢のような風貌の彼女だ。近寄りがたいと思われても仕方ない。
「ねえ……良かったら今日の自由行動、一緒に回らない? 売れ残り同士、仲良くしましょ」
まさか、修学旅行の自由行動を、学年一のマドンナと二人きりで過ごすことになるなど、誰が予想したであろうか。
しかも、それがきっかけで付き合うことになるなど……。
みたいなみたいな?
まあ、ちょっと違うような気がするけど、要するに触れるものみな傷つけるの精神でところ構わず殴る蹴るを繰り返していると、孤高の美人マドンナをゲットできるってことですよ。
……そんな話だったっけ?
ってことわざ、ありますよね。
あれって、どんな経緯で生まれた言葉なんでしょうかね? つまり由来は何でしょうかという疑問なのですが、意外と参考文献を漁ってみても由来までは載っていないようです。
故事成語ってのはだいたいにおいて何かしらの由来があるわけでして、だから何となく格言やことわざには全て何かしらの由来があるのだろうなというのが僕の勝手なイメージなのですが……考えてみたらそれが絶対とは限らないですよね。
何かたまたま口にしてみたら思ったよりも語呂が良かったからことわざにしちまおうってな理由で出来たものも、もしかしたらあるかもしれない。
個人的には、パンドラの箱とか怪しいんじゃないかと思うんですよ。
出てくるもの全てが災厄ばかり。あまりのひどさに、もしかしたら途中で箱を閉めてしまっていたかもしれない。その場から逃げてしまっていたかもしれない。
でも、そんな絶望感に負けず、最後まで見届けたら、希望が残っていた。
ね?
残ったものは、福だったんですよ。
「残り物には福がある」は、語呂というか語感はそんなに悪くないと思うんですよね。
「ところ構わず殴る蹴る」と、舌の滑りやすさは同じレベルだと思います。
夜の校舎の窓ガラスを壊して回ったり盗んだバイクで走りだしたりしていた青春時代。
近づくものは全て殴り飛ばし蹴り倒してきたあの暴走の日々。
不良なわけじゃない。ただ、何となく周囲の全てが怖かった。だから見栄を張るように、横行を繰り返していた。
そんな奴だから、当然のようにずっと独りぼっち。居場所はどこにもなかった。
修学旅行の自由行動の日も、他のみんなは思い思いにグループを作って城めぐりを楽しんでいるのに、自分だけは独りぼっち。
特に行きたいところもないから、ホテルのロビーでぼーっとしていた。
「どこにも行かないの?」
いきなり声をかけられた。
顔を上げると、そこには自他共に認める学年一のマドンナが立っていた。
目を見張るほどの美人で、男子の人気も非常に高いが、今のところ付き合っている人はいないらしい。高嶺の花過ぎて、声をかけづらいというのがみんなの本音だ。
長い前髪を耳にかけながら彼女は寂しそうに笑った。
「あなたも一人なのね。私もそう。お高く止まってると思われてるのか知らないけど、みんな仲良くしてくれないのよね。おかげで完全に売れ残っちゃったわ」
確かにそう思われている節はある。黙っていても高貴な雰囲気の漂う金持ちの令嬢のような風貌の彼女だ。近寄りがたいと思われても仕方ない。
「ねえ……良かったら今日の自由行動、一緒に回らない? 売れ残り同士、仲良くしましょ」
まさか、修学旅行の自由行動を、学年一のマドンナと二人きりで過ごすことになるなど、誰が予想したであろうか。
しかも、それがきっかけで付き合うことになるなど……。
みたいなみたいな?
まあ、ちょっと違うような気がするけど、要するに触れるものみな傷つけるの精神でところ構わず殴る蹴るを繰り返していると、孤高の美人マドンナをゲットできるってことですよ。
……そんな話だったっけ?