文章力が高いって言葉がいまいちピンと来ない件について

この記事はだいぶ前に書かれたものなので情報が古いかもしれません
例えば今、雨が降っているとしますよね。

この場合、ストレートに「外は雨が降っている」と書けば、伝わります。小学生にこの文を見てこのとき筆者は何を言いたいのかなって質問をしたら「あのねー、今お外は雨が降ってるってことを言いたいんだと思うよー」って答えが返って来ますよね、きっと。大正解だぜ少年。ハナマルあげちゃう。

「外は雨が降っている」の一文だけを見て「普通、屋内に雨が降ることはない。従ってわざわざ『外は』雨が降っていると書く必要はないのだ。雨が降っているだけで十分なのにあえて『外は』とつけ加えている。この意味を考えると……ククク……なるほど。恐らく筆者は結界の中に閉じ込められているのだ。そして結界の外では雨が降っている。この雨も一般的に定義される雨とは違うものなのだろう。魔力の源……闇のエネルギーとでも言うべきか。それが天上より降り注いでいるわけだ。闇の力が天より降り注いでいるとなると……あまり歓迎すべき状況にはないようだな。世界の崩壊が確実に近づいている。大いなる闇が世界を覆い尽くそうとしているのだ。結界の内側はまだ安全なようだが、長くは持つまい。光の三戦士を早急に目覚めさせなければなるまい。伝説によれば光の三戦士は……」なんて答えが返って来ることはまずない。ってか逆にすげーよ、そこまで答えられたら。ある意味正解だよ少年。芸術点あげちゃう。



この「外は雨が降っている」という一文。外の様子を的確に描写はしているわけなので、分かりやすい表現ではありますよね。分かりやすいし読みやすい。

でも、じゃあ、果たしてこれは文章力が高いと言えるものなのでしょうか?

分かりやすい文章、読みやすい文章が書けるってのは確かに文章力のなせるわざだとは思うんですけど、正直、そこら辺が僕にはよく分からないんですよね。



僕は何と言いますか……なるべく直接的な表現を使わない方が文章力が高いと言えるんじゃないかって思っているところがありまして……つまり雨が降っている様子を、雨って単語をなるべく使わずに表現できるような文章が「おお、上手い」って思えるような文章じゃないかなぁって感じなんですよ。

例えば雨の代わりに「傘」って単語を用いて、雨が降っている様子を表すこともできるじゃないですか。「玄関を一歩出て空を見上げた瞬間、僕は傘を取りに家の中に戻った」みたいなことを書けば「ああ、雨が降っているのね」ってなるじゃないですか。なりますよね? なると嬉しいな。

僕自身がまず文章力の高い人間じゃないのであれなんですけど……例えて言うなら、僕の中ではこんな感じに書けるのが、より上手い文章と言いますか、文章力が高いって評価されるんじゃないかなって思うんですよ。

もっと頑張って、傘なんていういかにも雨を連想できそうなアイテムに頼らずに書けると、なお良いかもしれない。

「ドアを開けて空を見上げた瞬間、僕は外出を諦めて家の中に戻った。こんな天気の日に外出なんかする気にならねーっつーの」とか書いてあったら「あ、もしかして雨でも降っているのかな」って連想することも、可能じゃないですか。可能ですよね? 可能だと嬉しいな。



でも、自分で思っといてなんですけど、こういうのって果たして本当に文章力の高さを表すんでしょうか? どっちかってーと表現力ですよね、こういうのは。表現力も文章力の高さを示す一つのバロメーターだよって言われたら確かにそうかもしれないんですけど……でも表現力の高い文章ってのは、分かりやすい文章とは限らないと思うんですよね。

「玄関を一歩出て空を見上げた瞬間、僕は傘を取りに家の中に戻った」って一文だって、確実に雨が降っているとは言えない。「今は降ってないけど降りそうな空模様だから念のため傘を取りに戻ったんじゃないかな」って推測することもできるし、「ドアを開けて空を見上げた瞬間、僕は外出を諦めて家の中に戻った。こんな天気の日に外出なんかする気にならねーっつーの」の方にいたっては、夏の猛暑日でピーカン照りの状態かもしれない。「こんな暑くて日射しがきついんじゃ外出は断念だ」っていうシーンかもしれないしね。

まあこれに関しては、もうちょっと分かりやすく描写できるようになれば解決じゃねっていう話ではあるんですけどね^^;



ようは何が言いたいのかっていうと文章力って曖昧な言葉だよね~っていうお話っす。僕にはそれがよく分からないっていうお話っす。

文章力を高めるということは、表現力を磨くことなのか、語彙を増やすことなのか、そういうのはひとまず置いといて「外は雨が降っている」みたいに単調だけど誰が読んでも分かる文章を書くように心掛けることなのか。

もちろん、それがブログなのか論文なのか詩なのか小説なのかでも変わって来るとは思うんですけどね。ブログだったら単調でも分かりやすい方が良いけど、小説だと情緒に欠けるというか、面白みがないと思われるかもしれない。論文だと冒頭でずばっと結論を言った方が良いけど、小説だったら最後まで結論をぼかして読者をわくわくさせた方が良いんでねーの、とかね。



足が速いってのは走るスピードが速いことみたいに、文章力の定義も分かりやすいと良いんですけどね。

ま、そういう複雑なところが、文章を書く面白さでもあるのかな……なんちって。

あーあ、滝に打たれるだけで文章力とか上がんねーかなぁ。そんなんで上がるなら、毎日滝に打たれちゃうよ。
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